経理業務の分野では、紙やハンコ文化のようなアナログなプロセスが存在しており、デジタル化が進まず、生産性の向上の妨げとなってきました。電子帳簿保存法の改正により、従来の紙を前提とした経理業務の「電子化」が加速していますが、今後、バックオフィス業務全体の「自動化」が期待されるのが「デジタルインボイス」です。請求から支払、入金消込といった業務がデジタルデータでつながり、請求管理業務が効率化するだけではなく、さらに契約・受発注といったプロセスのデジタル化も促され、「取引全体のデジタル化」が進むと考えられています。 「デジタルインボイス」の普及により、人の手を介した入力が不要となり、インプットレス・キャッシュレスな時代への進化が期待されています。
Peppol(ペポル)とは、インボイスなどの電子文書をネットワーク上でやり取りするための国際標準仕様です。Peppolは、Pan European Public Procurement Onlineの略称で、現在、欧州各国のほかに、オーストラリア、ニュージーランドやシンガポールなどの欧州域外の国も含め30か国以上で利用が進んでいます。 日本ではデジタルインボイスの標準仕様を策定・実証し、普及促進させることを目的として、 2020年に電子インボイス推進協議会(現:デジタルインボイス推進協議会)(EIPA)が設立されました。また、デジタル庁が、日本のPeppol Authority(PA)として、Peppolをベースとした日本におけるデジタルインボイスの標準仕様(JP PINT)の管理等を行っています。
Peppolは、「4コーナーモデル」と呼ばれる構造を採用しています。売り手(C1)は、売り手側のアクセスポイント(C2)を通じてPeppolネットワークに接続し、買い手側のアクセスポイント(C3)にインボイスデータを送信することで、買い手(C4)に届くという仕組みです。Peppolユーザーは、アクセスポイントを通じてネットワークに接続することで、Peppolネットワークに参加する全てのユーザーとデジタルインボイスをやり取りすることができます。